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第571回 女子中の入試問題 速さ 4

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速さの練習問題 2022年01月08日18時00分

「第571回 女子中の入試問題 速さ 4」

女子中の2021年度入試で出された「速さ」の問題について考えています。

前回は「旅人算」のやや難しい定番の問題を取り扱いました。

今回は「旅人算」のグラフ問題を見ていこうと思います。

 

【問題】姉は徒歩通学をしています。ある日、学校まで残り450mの地点で忘れ物に気づいた姉は、歩いて家に引き返しました。妹は姉が家を出てから9分後に姉の忘れ物に気づき、姉を追いかけました。姉は妹から忘れ物を受け取った後、走って学校へ行き、妹は家に帰りました。下のグラフは、姉が家を出発してからの時間と、姉と妹の距離の関係を表したものです。ただし、家と学校は同じ直線道路沿いにあり、姉の歩く速さと走る速さはそれぞれ一定で、妹の速さは毎分60mとします。次の問いに答えなさい。

(1)姉の歩く速さを求めなさい。

(2)ア□、イ□、ウ□にあてはまる数を求めなさい。

(3)姉の走る速さを求めなさい。

(東洋英和女学院中学部 2021年 問題9)

 

【考え方】

旅人算の進行グラフ(ダイヤグラム)は速さや向きが変わったときに曲がりますが、2人の間の距離を表す「隔たりグラフ」では向かい合って進み始めたり、同じ向きに進み始めたりした場合にも曲がることに注意して、グラフの読み取りをします。

(1)問題文からわかることをグラフに書き込むと次のようになります。

グラフより、姉は家を出発してからの9分間で810m歩いたとわかります。

810m÷9分=90m/分 

答え 毎分90m

 

(2)9分後から姉が忘れ物に気づくア□分後までは、姉と妹は同じ向きに進んでいますが、姉の方が早いので2人の差が810mから900mに広がっています。

(900m-810m)÷(90m/分-60m/分)=3分

9分+3分=12分 → ア□=12

2人の間の距離がイ□mとなる27分後は、姉が学校に着いたときなのか、妹が家に着いたときなのかがよくわかりませんが、いずれの場合でも27分後には姉は学校に、妹は家にいますから、イ□は家と学校との距離です。

しかし、隔たりグラフだけでは少し考えにくいので、わかった12分後までの様子を線分図に整理してみます。

この線分図から、

イ□=810+270+450=1530(m)

とわかります。

さらに、姉と妹が出会ったのは、

12分後+900m÷(90m/分+60m/分)=18分後

ということもわかります。

妹は家を出発してから姉と出会うまでに9分かかりましたから、姉と出会ってから家に帰るまでの時間も9分かかります。

つまり、姉が家を出発してから

9分+9分+9分=27分後

に家に帰りますので、ウ□分に姉が学校に着いたことになります。

妹はウ□分後から27分後までに、

1530m-1350m=180m

歩いています。

27分-180m÷60m/分=24分 → ウ□=24

答え ア 12、 イ 1530、 ウ 24

 

(3)1350m÷(24分-18分)=225m/分 … 姉(走る)+妹

225m/分-60m/分=165m/分

答え 毎分165m

 

本問は2人の間の距離を表す「隔たりグラフ」の読み取り問題でした。

隔たりグラフの問題は、

1 グラフが曲がる理由を考える

2 進行グラフ(ダイヤグラム)に書き換える

3 線分図に書き換える

の3つの方法から適切なものを選んで解きます。

隔たりグラフは速さのグラフの応用問題ですから、苦手な場合は進行グラフ(ダイヤグラム)の問題が解けるか、グラフと線分図の書き換えができるかといった点を、まずは確認してみましょう。

 

では、もう1問です。

 

【問題】直線上に点A、Bがあり、AとBの間は30cmです。直線上のAとBの間を、点Pと点Qがそれぞれ動きます。点PはAを出発しBに向かい、同時に点QはBを出発しAに向かいます。点P、Qは出会ったら向きを変えて進みます。点Pも点Qも、AまたはBにたどり着いたら向きを変えて進みます。ただし、点QはBにたどり着いたとき、2秒間止まってから再び動き出します。点P、Qの速さはそれぞれ一定です。また、グラフは点Pの移動の様子の一部を表したものです。

(1)点P、Qの速さはそれぞれ毎秒何cmですか。必要であれば、下のグラフを用いなさい。答えを出すために必要な式、図、考え方なども書きなさい。

(2)点P、Qが7回出会うまでに点Pが進んだ長さの合計は何cmですか。必要であれば、下のグラフを用いなさい。答えを出すために必要な式、図、考え方なども書きなさい。

(鷗友学園女子中学校 2021年 問題6)

 

【考え方】

(1)与えられたグラフに、点Qの動きをかき加えてみます。

グラフが二等辺三角形になっていますので、1回目の出会いは出発してから

8秒÷2=4秒後

です。

30cm÷4秒=7.5cm/秒 … 点Pと点Qの速さの和

また、グラフの中に「休み」がありますので、「もし、休まなければ…」というグラフもかきたしてみます。

もし、点QがBで止まらなければ、2回目に2点が出会うところは1回目と同じになりますから、8秒後+4秒=12秒後のはずです。

また、グラフの中に平行四辺形と二等辺三角形がありますので、この部分を拡大してみます。

すると、点Pが

12.8秒-12秒=0.8秒

かかる距離を、点Qは

2秒-0.8秒=1.2秒

かかっていることもわかります。

時間の比 P:Q=0.8:1.2=2:3

速さの比 P:Q=③:②

③+②=⑤=7.5cm/秒 → ①=1.5cm/秒

1.5×3=4.5cm/秒 … 点Pの速さ

1.5×2=3cm/秒 … 点Qの速さ

答え Pは毎秒4.5cm、 Qは毎秒3cm

 

(2)2回目に出会った後のグラフをかいていきます。

グラフから1回目に出会う位置と3回目に出会う位置が同じであることがわかりますから、2回の出会いを1組とすることができます。

7回目÷2回=3組余り1回目

(18cm×2+21.6cm×2)×3組+18cm=255.6cm

答え 225.6cm

 

本問は、ダイヤグラムの5原則と出会いの規則性が利用できる問題でした。

 

今回は、2021年度に女子中で出された「速さ」の問題の中から、旅人算とグラフに関する問題をご紹介しました。

隔たりグラフやダイヤグラムの読み取り問題は、中学入試でもよく出される大切な問題です。

今回のような応用レベルの問題が少し難しいと感じるときは、塾教材の基本レベルから中級レベルの問題で、もう一度、グラフ問題の基礎を固めるようにしましょう。

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速さの練習問題 / 中学入試の算数問題 2022年01月08日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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