冬休み中にマスターしたいこと 1
「第318回 冬休み中にマスターしたいこと 1 ~復習中心の冬期講習会~」
これまでは応用問題が解けるようになるため、
過去に受けたテストの振り返り方を見てきました。
今回から、目前に迫った冬休みの勉強について考えていこうと思います。
大手進学塾では、冬休みになると「冬期講習会」が開催されます。
これまで、学校の長期休業期間中は一部の塾を除き、
平常授業をストップさせ、講習会だけが実施されてきました。
ですから、お子さんの現状と講習会の学習カリキュラムに応じて、
講習会を受講する、あるいは苦手克服や強点強化を家庭学習で行うといった
選択が可能でした。
しかし、近年は平月の学習の一環として、講習会の受講を必須とする塾もあります。
そのような塾にお通いの場合は、
そうでない塾にお通いの場合以上に、
お子さんの現状分析と講習会カリキュラムの確認、
講習会での達成目標の設定が重要になってきます。
今回はその一例として、サピックスの5年生を取り上げてみます。
サピックスのホームページを見ますと、
5年生の冬期講習として、以下の内容が予定されています。
平月のカリキュラムと対比させてみましょう。

実際には過去の教材を調べてみますと、
冬期講習会 第1回「割合」では、主に夏期講習会で取り扱った「食塩水の濃さ」「売買算」、
第2回「平面図形」は冬期講習会の直前に学習した、「相似」「辺の比と面積比」、
第3回「数の性質」は夏期講習会に学習した約数・倍数の他「N進法」、
第4回「移動と回転」は9月に学習した「平面図形3」の内容が、
それぞれ中心となっており、
いつ学習した単元の復習になるかはバラバラです。

このように、
冬期講習会の「ご案内」だけでは、
何を学習するのかが少しわかりにくくなっていることもありますから、
塾に尋ねるなどして、
何を中心に取り扱うのかを調べるようにしましょう。
サピックスの5年生の冬期講習の場合は、
上記のようにほぼすべての単元が、
これまでに習ってきたことの復習とその発展学習となっています。
このことより、
算数を苦手としている場合、
気をつけなければいけないことが1点わかってきます。
「復習」が中心となると、
授業は「ある程度できる」ものとして進んでいく
可能性がある点です。
クラスがいくつにも分かれている大手進学塾であっても、
そこで講師をしていた経験からいえば、
「(わかっている)生徒を退屈させない」方が
「わかっていない生徒の底上げをする」ことより、
どうしても重きを置いてしまいます。
加えて、追加プリントを配布して
教材に掲載されていない発展問題を取り扱うこともあります。
ですから、
クラスがいくつもある大教室だから
「実力に応じた細かい指導がある」とは限りませんので、
苦手な分野については、
これまでの平常授業の教材を利用して、
「平常授業の復習=冬期講習会の予習」をすませて、
冬期講習会を受けることを考える必要があります。
具体例を1つ、ご紹介します。 
夏期講習会の第11回では、
上記のような「食塩水の濃さ(面積図の利用)」の問題を学習しました。
これが冬期講習会の第1回では次のような問題として登場します。

夏期講習会と同じく、面積図を利用して解く食塩水の濃さの問題です。
冬期講習会の第1回では、
これ以外に次のような「食塩水のやりとり算」も初登場します。

この第1回の学習内容が食塩水の濃さの問題だけであれば、
夏期講習会の復習からはじめて、
このような発展学習まで取り扱うこともできると思います。
しかし、第1回では「損益売買算」についても発展学習がありますから、
クラスによっては「夏期講習会と同じ問題はできる」ものとして
進んでいく可能性もあります。
ですから、万が一、そのような授業になっても
あわてずにすむように準備を整えておくことが、
冬期講習受講の価値を高めてくれると思います。
また、このような準備を済ませておけば、
「冬期講習会ではこの問題の類題を正解させる」
といった達成目標を立てることもできますから、
冬期講習会を受講するメリットが一層増大します。
冬期講習会が「これまでの復習」となっている場合は、
残された時間で準備を済ませることが出来るといいですね。
次回は、「6年生に向けた予習」をふくむ冬期講習会について見ていこうと思います。

