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第666回 共学中の入試問題 数と計算 3

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数の性質の練習問題 2024年04月13日18時00分

「第666回 共学中の入試問題 数と計算 3」

ここまで近年の共学中の入試問題で出された「数と計算」の問題を取り扱っています。

今回は「数列」「数表」の問題を見ていきます。

 

1問目は、基本レベルの問題です。

 

【問題】下のように、あるきまりにしたがって全部で50個の数字を並べました。

2、0、2、3、2、0、2、3、2、0、…

並べた50個の数字をすべて加えたときの和を求めなさい。

(専修大学松戸中学校 2023年 問題2-(2) 問題文一部変更)

 

【考え方】

「2、0、2、3」の4個1セットを繰り返しています。

繰り返しの数列は表に整理することができます。

50個÷4個=12セットあまり2個 → 50個目の数字は13セット目の2番目です。

ですから、和は

7×12+2=86

です。

答え 86

 

本問は、繰り返す数列(周期タイプ)の基本が確認できる問題です。

余りとその和の処理に注意して解きましょう。

 

2問目は大問形式の問題です。

 

【問題】数学者ガウスは幼き日に、1+2+3+……+98+99+100の計算を、「逆の順に並べた式と加えたものを2で割って計算した」と言われています。

よって、101×100÷2=5050

次の問いに答えなさい。

(1)偶数の和2+4+6+……+96+98+100はいくつですか。

(2)3の倍数の和102+105+108+……+261+264+267はいくつですか。考え方も書きなさい。

(法政大学第二中学校 2023年 問題4)

 

【考え方】

(1)

100は2から数えて 100÷2=50番目 の偶数です。

(2+100)×50÷2=2550

答え 2550

 

(2)

102は3から数えて 102÷3=34番目

267は3から数えて 267÷3=89番目

の3の倍数です。

 

102から267までに3の倍数は

89番目-33番目=56個

あります。

(102+267)×56÷2=10332

答え 10332

 

本問は、等差数列の和の公式の理由が確認できる問題です。

問題の誘導に従ってもよいですし、すぐに等差数列の和の公式を使って解いてもよいでしょう。

 

3問目も、大問形式の問題です。

 

【問題】下の図のように、ある規則にしたがって数字が並んでいます。このとき、次の各問いに答えなさい。

(1)[ ア ]段目には[ イ ]個の数が並んでいて、それらの合計は400です。[ ア ]、[ イ ]に入る数の和を求めなさい。

(2)上の図の数を1段目から順番に下のように一列にならべます。

1、1、2、1、1、2、3、2、1、1、2、3、4、3、2、1、1、…

1000番目までに出てくる数の中で最も大きい数はいくつですか。

(帝京大学中学校 2023年 問題3 問題文一部変更)

 

【考え方】

(1)

「和が400」とわかっていますので、各段の和を調べてみます。

1段目の和 … 1

2段目の和 … 1+2+1=4

3段目の和 … 1+2+3+2+1=9

4段目の和 … 1+2+3+4+3+2+1=16

調べると□段目の和は □×□(段の数の平方数)となっています。

400=20×20 → ア=20

 

次に、「個数」についても調べます。

1段目の個数 … 1個

2段目の個数 … 3個

3段目の個数 … 5個

4段目の個数 … 7個

調べると□段目の個数は □×2-1(1から始まる奇数)となっています。

20(段)×2-1=39(個) → イ=39

 

ですから、アとイの和は

20+39=59

です。

答え 59

 

(2)

各段の真ん中の数がその段で最も大きい数ですから、1000番目の数が何段目にあるかを調べることにします。

個数の和は1から始まる奇数の和ですから

1から始まる奇数の和=奇数の個数の平方数

が利用できます。

1000=31×31+39

より、1000番目の数は32段目の左から39番目の数とわかります。

32段目の真ん中の数は左から32番目にある32です。

答え 32

 

本問は、個数が1個、3個、5個、…のように規則的に増えていく群数列(本問では「群」が「段」で表現されています)が数表の形で表された問題です。

「和」を問われたら「和の規則性」を、「個数」を問われたら「個数の規則性」を求めるという基本に従って解くことを確認しましょう。

 

最後も、「数表」の問題です。

 

【問題】奇数を1つずつ書いたカードを1から順に並べて、下の図のような正方形をつくっていきます。

(1)各辺に10枚のカードを並べたとき、カードに書かれた最大の数を求めなさい。

(2)各辺に何枚のカードを並べると、左上のカードに書かれた数が513になりますか。

(青山学院中等部 2023年 問題10 問題文一部変更)

 

【考え方】

(1)

問われている「最大の数」について調べることにします。

カードを各辺の2枚並べたとき(合計4枚) → 最大の数は7

カードを各辺に4枚並べたとき(合計16枚) → 最大の数は31

カードを各辺に6枚並べたとき(合計36枚) → 最大の数は71

調べると1辺に□枚のカードを並べたときの最大の数は □×□×2-1(合計枚数の2倍より1小さい数)となっています。

10×10×2-1=199

答え 199

 

(2)

左上のカードに書かれた数は、1つ前の正方形の最大の数より2大きい数です。

513-2=511 … 1つ前の正方形の最大の数

□×□×2-1=511

□×□=(511+1)÷2=256=16×16

□=16

1つ前の正方形の各辺には16枚のカードが並んでいますから、その次の正方形の各辺には18枚のカードが並んでいます。

答え 18枚

 

本問の(1)も前問と同じように、問われている「最大の数」について規則性を見つけるという基本が確認できる問題です。

また、(2)は(1)を誘導として考える入試問題でよく出される形式の問題です。

(1)がやや易しかったり、作業手順を確認したりするような問題の場合は、「誘導になっているかもしれない」ということを頭の片隅の置いておけるとよいですね。

 

今回は、近年の共学中の入試で出された「数列」と「数表」の問題をご紹介しました。

これらの問題は模試でも出されますので、正解できない問題があったときは、早急に、どこで間違えたかのチェックと修正をしておきましょう。

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数の性質の練習問題 / 中学入試の算数問題 2024年04月13日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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