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第754回 女子中の入試問題 文章題 1

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文章題の練習問題 2025年12月20日18時00分

「第754回 女子中の入試問題 文章題 1」

2025年度に女子中の入試で出された問題について考えています。

今回からは「文章題」を取り扱っていきます。

1回目の今回は、「植木算」や「つるかめ算」などの問題を見ていきます。

 

1問目は植木算の問題です。

 

【問題】A地点から600m離れたB地点まで、同じ間隔で木を植えることにしました。A地点から13mおきに木を植えていくと、途中で木が足りなくなり、B地点の80m手前の所までしか植えられなくなります。このとき、木は[①]本あり、A地点から[②]mおきに木を植えると、最後の木をちょうどB地点に植えることができます。ただし、最初の木はA地点に植えるものとします。

(立教女学院中学校 2025年 問題1-(7) 問題文一部変更)

 

【考え方】

条件は次のような図に表せます。

600m-80m=520m … AC間の距離

(端から端までの距離)÷(間隔)=(間の数)です。

520m÷13m=40か所… 木と木の間の数

端から端まで木を植えたとき、木の本数は間の数よりも1つ多くなります。

40か所+1=41本 → ①=41

A地点からB地点まで41本の木を端から端まで植えると、間の数は40か所できます。

(端から端までの距離)÷(間の数)=(間隔)という関係がありますから、

600m÷40か所=15m → ②=15

となります。

答え ① 41、 ② 15

 

本問は、植木算の基本を確認できる問題です。

もし、正解できないようでしたら、間隔、間の数、端から端までの距離の関係(間隔×間の数=端から端までの距離 など)をチェックします。

 

2問目はつるかめ算の問題です。

 

【問題】70円の鉛筆と100円のボールペンと150円の油性ペンがあります。これらをあわせて20本買ったところ、合計金額が1710円でした。このとき、鉛筆、ボールペン、油性ペンをそれぞれ何本買ったか求めなさい。

(東京女学館中学校 2月1日(午後) 2025年 問題2-(3))

 

【考え方】

3種のつるかめ算は、条件を面積図に表し、「もし鉛筆ばかりを買えば~」(最小金額)、または、「もし、油性ペンばかり買えば~」(最大金額)に着目することが、解き方の基本です。

今回は、最小金額から考えることにします。

70円×20本=1400円 … 赤色部分の合計金額

最小金額(赤色部分)と実際の金額との差(水色部分)に着目します。

1710円-1400円=310円 … 水色部分の合計金額

100円-70円=30円

150円-70円=80円

ボールペンを□本、油性ペンを■本買ったとします。

30円×□本+80円×■本=310円

この式にあてはまる□と■の組み合わせは、(□、■)=(5、2)の1組だけです。

20本-(5本+2本)=13本 … 鉛筆の本数

答え 鉛筆 13本、 ボールペン 5本、 油性ペン 2本

 

本問は、3種のつるかめ算の基本を確認できる問題です。

面積図をかく代わりに

70円×☆本+100円×□本+150円×■本=1710円

のように、条件を式に表し、

30円×□本+80円×■本=1710円-70円×20本=310円

と、解き進めていくこともできます。

 

3問目は損得のあるつるかめ算(弁償算)の問題です。

 

【問題】Aさんは60個、Bさんは40個のあめ玉を持っています。コインを1回投げて表がでたらAさんがBさんに3個、裏がでたらBさんがAさんに2個あめ玉を渡します。コインを20回投げた後、Aさんの持っているあめ玉は55個になりました。このとき、コインの表は何回出ましたか。

(品川女子学院中等部 算数1教科 2025年 問題16 問題文一部変更)

 

【考え方】

弁償算は、「もし、得しかしなかったら~(損が一切なければ~)」から考えて表に整理すると、規則性を利用しやすいです。

60+2×20=100(個) … 裏が20回出たときのAさんのあめ玉

60+2×19-3×1=95(個) … 裏が19回出たときのAさんのあめ玉

60+2×18-3×2=90(個) … 裏が18回出たときのAさんのあめ玉

表より、表の出る回数が1回増えると、Aさんのあめ玉が5個減るとわかります。

(100個-55個)÷5個=9

よって、表の出る回数がが0回から9回増えると、Aさんのあめ玉が55個になります。

答え 9回

 

本問は、弁償算の基本を確認できる問題です。

なお、Aさんのあめ玉の個数の増減だけに着目する解き方もあります。

60個-55個=5個 … Aさんのあめ玉の減った個数

もし、20回とも表がでたら

3個×20回=60個

減りますから、裏が

(60個-5個)÷(3個+2個)=11回

が出たとわかります。

 

最後は範囲のある問題です。

 

【問題】10円硬貨は1枚4.5g、5円硬貨は1枚3.75gあります。10円硬貨と5円硬貨が合わせて1000円分あり、重さが700g以上あるとき、10円硬貨は何枚ありますか。考えられる最も多い枚数を答えなさい。

(カリタス女子中学校 第2回 2025年 問題1-(7) 問題文一部変更)

 

【考え方】

10円硬貨と5円硬貨の合計金額が1000円ですから、10円硬貨と5円硬貨の枚数の組み合わせは

(10円硬貨、5円硬貨)=(100枚、0枚)、(99枚、2枚)、 … 、(0枚、200枚)

の101通りがあります。

そこで、これらの組み合わせについて合計の重さを調べて表に整理し、700g以上という条件にあてはまる枚数の組を探します。

4.5g×100枚+3.75g×0枚=450g

4.5g×99枚+3.75g×2枚=453g

4.5g×98枚+3.75g×4枚=456g

表より、10硬貨の枚数が1枚減ると、合計の重さが3g増えることがわかります。

(700g以上-450g)÷3g=83.3…枚以上

ですから、10円硬貨が84枚減ると、合計の重さが

3g×84=252g

増えて

450+252=702g

となり、700g以上という条件を満たします。

100枚-84枚=16枚

答え 16枚

 

本問は、範囲があるときの規則性の利用方法を確認できる問題です。

ポイントは、はじめに決められている合計金額から10円硬貨と5円硬貨の枚数の組み合わせを見つけ、次に各組の重さを調べる、という手順にあります。

 

今回は、2025年度に女子中の入試で出された、植木算とつるかめ算など規則性を利用する問題をご紹介しました。

1問目の植木算は基本レベルの問題、2問目の3種のつるかめ算、3問目の弁償算はつるかめ算の中では難しい部類に入りますが、定番の問題でもありますから、これらの1~3問目の中で正解できない問題があれば、類題演習をして面積図や表の使い方を補強しましょう。

4問目は今回ご紹介した4問の中では最も難しい問題です。

解けなかったときは、何に着目するのかを確認しましょう。

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文章題の練習問題 / 中学入試の算数問題 2025年12月20日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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